世界初のヒト由来のプロバイオティクスであり、発見以来70年にわたり乳児、子供、成人に対する疾病予防や治療に利用されてきており、副作用は全く報告されていません。
1953年、アルメニア共和国科学アカデミー微生物研究所のエルゼンキヤン博士(Dr. Levon A. Yerzinkyan)は、孫娘のナリネが生まれたとき、彼女の胎便から10数種類の乳酸菌を分離し、耐酸性、抗菌力や耐フェノール耐性などについて検証し,科学的に最も優れた菌種を発見しました。エルゼンキヤン博士は、この菌種を「ラクトバチルス・アシドフィルスEr-2strain 317/402」として名付けました。
数年後、孫娘ナリネは重度の腸感染症を患い、当時の抗生物質でも効かず、主治医からは、彼女に生存の可能性はないと宣告されました。エルゼンキヤン博士は主治医と相談のうえ、この菌種で治療することを提案。
ナリネ本人から分離された乳酸菌であることから、有効に作用して、孫娘ナリネは奇跡的に回復しました。このエピソードから、「ラクトバチルス・アシドフィルスEr-2strain 317/402」は、通称「ナリネ菌」と呼ばれています。そして、ナリネ菌生みの親「ナリネ」さんは、今でもアルメニアで元気に暮らしています。
この出来事の後、「ナリネ菌」は多くの病院、診療科や研究センターにおいて、様々な疾病の治療や予防に導入されています。「ナリネ菌」はアルメニア共和国の新生児の補完食としても摂取され、子どもの迅速な発育に寄与しています。
「ナリネ菌」は、学名「ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus) Er-2strain 317/402」として1964年に正式に登録されています(ソ連邦官庁No.163573, 27.04.1964)。
参照:Biological features of some races of Lactic acid bacteria」Yerzinkyan, L.A.